しばらく経って再びリビングに現れたちづ姉は、こちらの予想をはるかに上回る『鬼』になっていた。
材料を持ち帰った私は、エプロンとかスカートとか、もっと布地の多いものを作るんだと思っていたけど。
演劇部の不良在庫たる虎柄生地で作った上下のビキニに、厚紙を丸めて作ったツノ二本。まだ分からない方に、ちづ姉からの最終ヒント。
「鬼の登場だっちゃー」
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665号室の立春イブ 1[3/3]
665号室の立春イブ 1 [2/3]
「そういや、豆まきはせーへんのか」
一人で半分以上の太巻きを平らげた小太郎くんが、両手を後ろにつき、満たされたお腹で息をしながら聞く。こういうとき、ちょっとだけ彼がうらやましい。この部屋でただ一人、ダイエットの心配が要らないんだから。
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一人で半分以上の太巻きを平らげた小太郎くんが、両手を後ろにつき、満たされたお腹で息をしながら聞く。こういうとき、ちょっとだけ彼がうらやましい。この部屋でただ一人、ダイエットの心配が要らないんだから。
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665号室の立春イブ 1[1/3]
小道具大道具、衣装にカツラに台本の残骸。カオスな第三演劇部の根城は決して嫌いじゃないけど、空気が埃っぽいのはいただけない。立て付けの悪い扉で中の喧噪を遮断してから、小さく深呼吸する。
そして、その混沌の中から許可を得て持ち帰ったものが、通学鞄のかすかな膨らみに化けている。
「これ、誰が使うのかなあ」 【“665号室の立春イブ 1[1/3]”の続きを読む】
そして、その混沌の中から許可を得て持ち帰ったものが、通学鞄のかすかな膨らみに化けている。
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